ビワの種子の粉末を食べないでください?

2017年12月6日、農林水産省から「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」との警告が発信されたことを覚えていますか?

「ビワなどの種子(たね)や未熟な果実には、天然の有害物質が含まれています。本年度、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。ビワの種子が健康に良いという噂(うわさ)を信用して、有害物質を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。
一方、熟した果肉は、安全に食べることができます。」との内容です。

さらに

ビワ、アンズ、ウメ、モモ、スモモ、オウトウ(サクランボ)などのバラ科植物の種子や未熟な果実の部分には、アミグダリンやプルナシンという青酸を含む天然の有害物質(総称して、「シアン化合物」と言います。)が多く含まれています。
一方で、熟した果肉に含まれるシアン化合物はごくわずかです。果実を未熟な状態で食べてしまったり、果実を種子ごと食べてしまったりすることは稀(まれ)ですので、通常、果実を食べることによる健康影響は無視できます。
しかし、種子を乾燥して粉末に加工などした食品の場合は、シアン化合物を一度に大量に食べてしまう危険性が高まります。高濃度のシアン化合物が検出されて回収が行われているビワの種子粉末食品のうち、特に濃度が高いものでは、小さじ1杯程度の摂取量でも、健康に悪影響がないとされる量を超えて青酸を摂取してしまう可能性があります。

ちなみに、青梅は、熟していないのでシアン化合物が高濃度に含まれていることが知られており、そのままでは食べるのに適していませんが、梅干しや梅酒、梅漬けに加工をすることにより、シアン化合物が分解し、大幅に減少することが知られています。

種子を単純に乾燥・粉末にしたような食品では、シアン化合物はほとんど分解せずに残っている可能性があります。」と続いています。

 

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ビワと同じバラ科の植物である梅や杏・桃など食べたことのない人はまず皆無といってよいでしょう。スモモ・サクランボもしかりです。しかし、その種を食べたことがあると答えられるのは梅の種くらいだと思われますが、若い世代の人たちはおそらく種を食べた経験は少ないと思われます。勿論、生の種は誰も食べたことはないはずで、青梅の種など食べることはまずありません。

では、ビワの種を生のままで食べる習慣はあるでしょうか。ほとんどの人が「ない」と答えるはずです。では何故ビワの種が食べられるようになってきたのでしょうか?

2002年2月に日刊工業新聞に「ビワの葉から抗がん物質」の記事が掲載されたことにあると思われます。また、高知医大付属病院薬剤部の研究で「ビワの種で肝機能改善」との研究データが報告され高知県の地方紙に掲載されたことにさかのぼります。

私自身も1999年からビワ治療の指導所で勉強を開始していて、2001年に独立開業した翌年にこの記事を読みました。

私は若いころからスギの花粉によるアレルギーで毎年のように「花粉症」に悩まされる一人でもありました。毎年この時期はビワ種の粉末を小さじで1杯ほどだが常用して約15年以上経過しましたが、ビワによる中毒症状は起こしたことはありません。

7~8年ほど前からは、ビワの最盛期である6月にビワ種を収穫し、生のまま冷凍保存して適量を圧力鍋で甘露煮にしては常食するようになりました。現在まで健康を維持しているので健康食として役立っていると確信しています。

 

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なぜ今回ビワ種の粉末が問題になったのでしょうか? 今回の問題の中心は、ビワの種子を単純に乾燥・粉末にして商品化した点にあると思われます。さらに、今回のビワの種の粉末ですが、食品でありながら「がんに効く」といった、如何にも優れた薬であるかのように販売されていることに問題があります。販売業者が何の知識もなく、他の食品同様に「食品だから安全です!」などと売られていることに問題の発端があると思われます。

ビワの種の粉末は、乾燥させそのまま粉末として商品になっていて、熱処理など加えてないと思われますので、粉末をそのまま摂る場合は摂取量など配慮する必要があると思います。

現在はインターネットによる通信販売が当たり前の時代ですが、利用者はサイトの販売業者など見極め購入する必要があります。