医薬品には添付文書が付いているが読んでいない人がかなりある。
私は医薬品販売の経験があるが、医薬品に添付されている能書をよく読むように指導してきた。用法・用量を守るのは当たり前なのだが、これを守らない人があるのだ。
また、医薬品にはつきものの副作用も起こり得ることを知っておく必要がある。知らずに服用して、あとで思わぬ事態に遭遇することはまれではないのだ。
一般用医薬品には薬局やドラッグストアーなどで販売されている医薬品と一般家庭へ業者が配置する置き薬がある。これらの医薬品は比較的副作用も少なく安全性が高いとされるもので、素人でも自己判断で服用することが可能な医薬品といえる。
さらに、病院などで処方される医療用医薬品があるが、医療用の医薬品に関しては医師の診断により処方される医薬品で、一般の人が簡単に購入したり自己判断で服用することは避けなければならない。
最近では医薬分業もかなり進み、医師から処方箋をもらい、薬局で薬剤師に薬をいただくシステムが浸透しているので、医薬品による事故はかなり減っていると思われるが、現在でも殆どの方が医療用医薬品の添付文書を読んでいない。また、添付文書があることも知らない人が数多くいることが実情だ。
私がかって薬局を開業した昭和50年代は医薬品添付文書集の書籍を購入して、その情報を得て一般の人へ伝える努力を行ってきが、現在は数十年前までと違い多くの情報が公開されており、医薬品の情報も簡単に入手することが容易になった。
医薬品の内容を知るためのサイトはいろいろあるが、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のHPを紹介したい。
病院や医師からもらった薬の名前を入力し検索すると製薬会社が発行している添付文書をだれでも簡単に読むことが出来る。添付文書を読むと重篤な副作用も記載されている医薬品もあり、中には不安になる人もあるだろうが、正確な知識は必要だ。
2014年10月10日付けの西日本新聞のコラム欄「聴診記」に、「薬の添付文書を読もう」との記事が掲載された。記事の終わりに「どの医師も添付文書をしっかり読んだ上で、薬を処方していると信じたいが、『添付文書をちゃんと読んでいる医者はほとんどいない』(ある医師)との声もある。」とあった。
まさかと疑いたくなるような言葉に唖然とするが、患者側も自分の健康を医師任せにせず、医薬品を服用する前に、副作用など思わぬ事態を招かないよう必ず添付文書を読むことをおすすめしたい。