生命力を感じた瞬間

人は生まれながらにして「生きようとする力」を授かり生きていますが、往々にして「自分自身の力で生きている」と思っている人が少なくありません。しかし、日々の食事(肉や野菜や海藻・キノコなど)から多くの命を頂きながら生きているという事実を知らねばなりません。

よって、動物や植物などの多くの命を頂くことによって「生かされている」ということに感謝するすることが大切です。

若い時は元気もあり老化や病気など自身とは無縁だと思いがちですが、年々老いるごとに体力や記憶力の低下が個人差こそあれ誰にでも起きてきます。

健康に関心の高い人は40~50代頃から健康管理に努めはじめますから、この年代を境に体力差や病気の罹患率にも格差が生じてきます。

さらに、生命力にも差が当然起こってきます。
生命力は、自分の意思力だけではどうにもならないのです。

どんなに長く生きたいと強く願っても、日々の健康管理がなされていなければ、その願いは達成されはしないでしょう。

日本は世界で一番の長寿国になっていますが、その背景には医療の進化や充実が大きく関わっています。

しかし、食生活の改善を含めた日常の生活改善での健康管理が欠かせないことは言うまでもありません。

話は変わりますが、現在私の母は94歳で入院生活を送っています。
認知症の症状が7~8年前から徐々に進行し、3~4年前からは会話も殆ど出来なくなりました。さらに、食事を経口から摂れなくなってから1年4ヶ月あまり、IVHによる栄養補給に頼りながら生かされています。

IVH(中心静脈栄養法)は、ポート(点滴注入口)を首や胸の皮下に埋め込んで栄養(高カロリー輸液)をカテーテル(管)で入れます。食事の経口摂取が困難な患者に行われるもので、感染のリスクはありますが、感染がなく良好な状態ならば良い栄養状態を維持出来るのです。

一人暮らしで気ままな生活に慣れ、運動も全くしない生活が当たり前の日常で、偏った食生活が長年続いており、高脂血症や糖尿病も進行していました。

施設へ入所してからは栄養状態が徐々に改善され、さらに入院してからはIVHからの栄養でだけで血液の状態は比較的安定してきました。

主治医からは、IVHだけでも現状の維持が十分可能で、感染症さえ注意すれば「100歳まで生きる」と口癖だったも夢も可能性が出てきました。

大晦日、「私がわかりますか?」の声掛に、母が「わ・か・る」とはっきりした声で応じてくれました。いつも病室では耳元で「わかりますか?」と何度も声をかけてきたものの、これまでは全く反応が見られなかったので、一瞬信じられませんでした。

本人の生きたいという執着と強い意思を見せられたようで、生命力の凄さをあらためて感じた瞬間でした。

「生命力」は生きるための前向きに働く力で、言い換えれば自然治癒力の旺盛な状態であるとも言えます。

しかし、私たちの周囲には多くのマイナスに働く要因が溢れています。

食品添加物や大気汚染、暴飲暴食や過剰なストレスなどのほか、喫煙や薬剤による影響も要因の一つとして挙げられます。

いくら健康に良いことをしていても、マイナスに働く要因を無視しては「生命力」は元気に働いてはくれないのです。

日頃からの心がけとして、こつこつ毎日積み上げる良い習慣こそ大切ではないでしょうか。

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