磁器の絵付け(下絵付け)に挑戦
日本で最初に磁器の焼成に成功した有田は、来年2016年に創業400年の節目を迎えますが、有田焼が日本全国津々浦々まで知れ渡っているものの、有田焼がどのようにして作られているのか詳細を知っている人は少ないと思われますので、有田焼が完成するまでのプロセスを紹介したいと思います。
有田焼が完成するまでには多くの工程が必要になります。
1.粘土作り。 磁器の原料である陶石を砕いて粘土状にします。
2.成形。 ロクロや型を使い皿や茶碗などの原型を作ります。
3.乾燥させる。
4.約800度の温度で焼いて素焼きにします。丈夫になるので絵が描きやすくなります。
5.下絵付けをします。素焼きした素地に文様(模様)を描きます。
6.うわ薬(釉薬)をかけます。釉薬をかけることで表面がガラス質になります。
7.本焼き。 1200~1300度の高温で焼きます。焼き物は硬く焼きしめられ素焼きの大きさから約10~15%ほど小さくなります。
8.上絵付けをする。赤・黄・緑・金などで描きます。
9.再度、約800度の温度で焼きます。
こうして有田焼が出来上がりますが、本焼きだけの状態で完成させるのが、一般に染付けと呼ばれ、青の絵の具(呉須-ごす)で描いた焼き物です。
※ 佐賀県立九州陶磁文化館 やきもののつくりかた
さて、今回私が行う作業は5番目の下絵付けですが、
紙に描く作業と違い、素焼きの焼き物に描く作業は容易ではありません。
何故かと言えば、ちょっと油断すると素地に絵の具が吸われてしまい、にじんでしまいます。
また、紙や画用紙とは違い筆が滑らないので、うまく描こうとしてもとても難しい作業なのです。
と言うことで、絵描き職人さんたちの苦労が良くわかります。
10年ほど前に絵付け体験の経験を思い出し、挑戦して出来上がった作品です。
色の濃さを調整して濃淡をイメージしながら描きましたが、果たしてうまく出来上がるか?不安もあります。
このあと、本焼きをすれば完成です。どのように出来上がるか楽しみでもあります。