温熱治療についての考察

 ビワ温灸での熱源には通常棒モグサを利用しています。電熱器具による熱感よりモグサ(艾)の熱の方が穏やかで身体の深部まで伝わる感じがします。私自身の感じ方としては、電熱器具から発する熱感は細く鋭くチクッとした痛みを伴う感じ方で、棒モグサの熱感は太く穏やかな感じで心地良さはモグサを利用する方が良いのではないかと思います。

 心地良さを感じることで体内からエンドルフィンが分泌されると考えられます。エンドルフィンは脳内で作られる神経伝達物質で、モルヒネ同様の働きがあると言われ「脳内麻薬」とも呼ばれ、モルヒネの数倍の効果があるとも言われます。心地良さも効果の一部と考えることが出来るので、棒モグサを使用するほうがより効果的と言えるのではないかと思っています。

 穏やかな熱源とは言え、むやみにやりすぎると低温やけどを起こすことがあります。気持ちが良いので同じ場所に何回も施術していると良くなるどころか悪化することもあるので注意が必要です。

 温熱治療は局所または身体全体の血行を良くすることにあります。ツボを十分に理解していなくても身体は適度に反応して改善効果がみられるので素人でも自己治療が可能ですが、ツボ(経穴)を理解して行う方がより効果的であることは経験することでより理解が増します。

 ビワ温灸で使用している専用器具はとても単純な構造です。昔から使われている中国温灸器を改良したものと考えられますが、ビワの成分が上手く体内に取り込みやすい構造になっていると感心させられます。

 ビワ温灸にはモグサのほかビワの葉や種から抽出したエキスを利用していますが、ビワに含まれる成分がモグサの熱により体内に吸収され、患部の痛みを緩和すると考えられます。ビワの葉や種に含まれる成分は食品として摂ることも可能で、温灸を行いながら摂取するのも良いと思います。

ビワ温熱療法研究会 http://www.biwa-onq.com/