東洋医学のなかでのビワ温灸は?

2019年1月4日のNHK「あさイチ」で放映された「東洋医学」ご覧になりましたか?

 

現在では、「東洋医学」は広く知られるようになりましたが、私が薬局を開設した昭和50年当時は、まだ認知度は低かったように記憶しています。

薬局開設と同時に漢方薬(自家調合)を取り入れましたが、殆どの薬局は製薬会社が作っている錠剤や顆粒状の漢方薬を販売しており、煎じ薬を取り扱う薬局はそれほど多くありませんでした。

 

余談ですが、当時薬剤師会と医師会で東洋医学研究会が発足しましたが、記憶では薬剤師会から参加した人数が30名くらいで、医師会からは数名の参加しかありませんでした。

その頃から漢方薬の処方箋が多く発行されるようになりましたが、肝心の処方箋を出す医師の東洋医学への関心度合いが解り驚きました。

 

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東洋医学は東洋に起源をもつ伝統医学で、鍼・灸・漢方がその中心になりますが、現在では鍼・灸は鍼灸師が治療にあたり、漢方薬(煎じ薬の調合)は薬剤師が携わります。 ※ちなみに私が薬局を開設した直前までは薬店(薬種商)でも調合して販売が出来ていました。

 

日本におけるビワ治療は今から1300年以上も前の奈良時代にさかのぼります。さらに起源を追えば古代インド釈迦の時代にさかのぼることになります。

 

仏教伝来とともに日本に伝わったビワ治療は寺院から巷へ広がり民間伝承の医学として熟成していくことになります。各家庭ではおじいちゃんおばあちゃんの知恵として活かされ現在に至ります。

 

昔はビワ葉をそのまま痛む場所に当てたり、ビワ葉を煎じて飲むことが多かったようです。また、葉や種をアルコールに浸けて患部に塗ったり塗布したりしました。

棒状のお灸が使われるようになると、ビワ葉の上から棒灸をあてて治療されるようになりました。近年では、成分の分析が進みビワの種を食することも広く行き渡ってきました。

東洋医学を専門的に学んだ医師や薬剤師および鍼灸師による治療は言うに及びませんが、民間の中で育ち言い伝えられてきた民間伝承のビワ温灸は、人々が経験によって活かされてきた長い歴史があり、専門的な知識はなくても良いことも悪いことも経験で知っていて、自己治療に生かしてきたのです。

 

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さらに、ビワ温灸は進化しビワをお灸と合体させることで機能的にも効果的にも優れた器具も誕生するに至ります。ビワ葉をそのまま使うだけでなく、ビワ葉やビワ種からエキスを抽出するようになると高濃度のエキスが年中安定して利用できるようになりました。

ビワ温灸は、お灸で温めながらビワの有効成分を体内に取り込み、灸とビワの相乗効果が得られるのですが、ビワ温灸はより効果を高めるために経穴(ツボ)を利用しています。

鍼灸師は経絡・経穴を学校で学び、鍼を打つ場所(位置・ポイント)の習得に努めます。

家庭の中で利用するビワ温灸はアバウトなツボに温灸をするのですが、十分な効果を得ることが出来ます。

私のビワ温灸指導所では、誰でも簡単に効果的な温灸を得られるように基本的なツボを学んで頂いています。

ビワ温灸の基本的なツボ

 

民間伝承の治療法としてビワ温灸も東洋医学のひとつであることには違いがありません。

 

一昨年秋に、ビワ種粉末を食しないように!との警告があったのは残念ですが、どのような食品にもありがちなことで、間違って食すれば食あたりも起こします。

 

正しい知識で健康に活かしたいものです。

 

ビワ温熱療法研究会 http://www.biwa-onq.com/

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