2015.11.30 |
あなたにとってよい医者の条件とは?
先日の西日本新聞のコラム「聴診記」に良い医者の条件は・・・の記事が掲載された。
患者にとっての良い医者の条件とは、患者の訴えを十分聞いてくれること。大半の患者が医者を信頼して受診しているはずだが、こうした患者の期待を裏切る医者がいることは残念だ。
患者の訴えを良く聞いて、患者の立場に立って一緒に考えてくれる。知識をあまり押し付けることも無く、アドバイスは正確にしてくれる。さらに優しく笑顔も素敵だ。このような医者は患者との信頼関係が良く出来ている。良い医者は決して威張ったりしないから、気軽に「先生」と呼べる安心感がある。
これに反して評判の悪い医者は、患者の話を聞こうとしない。態度や言葉遣いはとげとげしく、説明も曖昧でアドバイスも殆どない。こんな医者は信頼できる訳がなく、不信感だけが募る。
良い医者は、気軽に話せる雰囲気を持っている。遠慮せずに何でも話せることが医療では大切で、患者の訴えを何でも聞いてくれる医者は、アドバイスも適切なはずだ。「最近のお医者さんたちは、患者と向き合わないでパソコンと向き合い、あまり目を合わせることが無い」とよく聞く。
患者との診療時間が原因のひとつに上げられる。医者は限られた診療時間で多くの患者と向き合わなければならないのだ。ゆっくりと患者の言う事を聞いていられない実情も理解せねばならない。多少の待ち時間は仕方のないところだ。
私は現在眼科に掛かっているが、ここの眼科は院長を指名すると2〜3時間待ちは当たり前で、患者さんたちは待ち時間を気にしていないようだ。まさしく信頼関係が出来上がっていることがわかる。友人から紹介された折に、「混んでいるから、待ち時間が長いよ」と聞いていたので覚悟して行ってみたら、案の上の混雑振りだった。しかし、良い医者に掛かりたいのは誰も同じ。以前に掛かっていた眼科は院長が娘婿に変わり、これまた高飛車な医師で信頼は出きる訳がなく、掛かるのを止めた。その後、やや遠いが約1時間かけて通院するようになった。
患者にとっての良い医者の条件とは、信頼と安心。患者が望むこと(期待すること)に応えてくれる医者が、患者にとっての良い医者の条件なのだと思う。
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2015.10.13 |
こんな医師の説明っていいの?
つい最近、知人から聞いた話です。母親が、足の親指を深爪し化膿してしまい、医者にかかり薬を飲んでいたところ、吐き気がして食欲が無くなってしまった。担当の医師に聞いてみると、「背中が曲がっているため」との説明があり、「とりあえず薬を休みましょう」と言われたようだ。母親は「抗生物質を飲んでから具合が悪くなった」と言っていて、薬の副作用ではないのか? と話してくれた。
抗生物質の服用で起こりやすい一般的な副作用としては、胃の不調や下痢があげられるが、担当の医師はなぜ「背中が曲がっているため」と説明したのだろうか。
確かに背中が異常に湾曲していれば胃を圧迫してしまい、胃の不調を起こすことが考えられる。しかし、背中の湾曲が原因だとすれば、薬の服用にかかわらず普段から胃の不調を訴えていると思われる。
知人の母は以前にも、風邪がなかなか治らず症状が改善されないので薬が合わないのでは?と、同じ医師に訴えたことがあり、この時医師からは「これで良いので黙って続けるように」と怒られたことがあった。もう少し患者の立場に立った説明が出来ないのか。このような説明では医師への不信感が募ってしまう。
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2015.9.2
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近藤誠医師VS大場大医師の「がん放置療法」対談
週間文春8月13日・20日夏の特大号に、"がん放置療法≠ヘ正しいのか?のタイトルで、慶応義塾大学医学部を昨年退職され、『医者に殺されない47の心得』の著者でもある近藤誠医師が主張する"がん放置療法≠ノ対して「近藤先生の論法は危険だ」と真っ向から異を唱える大場大まさる医師の対談が掲載された。
近藤誠医師は慶応義塾大学医学部放射線科講師の傍ら『患者よ、がんと闘うな』ほか多くの著書を出版されてきた。 特に2012年に出版された『医者に殺されない47の心得』は2013年に100万部を越え、多くの反響を呼んでいる。
また、週間新潮9月3日号には、上記の記事への大場医師による「近藤誠医師7つの嘘」の反論記事が掲載された。 記事を読む場合、現在抗がん剤での治療中の方や病気が見つかったばかりの人、患者の家族や知人など、どのような立場にあるのかによってとらえ方が違ってくるのではないだろうか。
医療を受ける患者は、自分に適した治療だと信じて医師に従うのが一般的だが、こうした情報を知ると果たしてどちらの意見を信じて良いのか迷ってしまうのだと思う。 近年こうした情報は簡単に得られる環境が出来てきたが、自分にその情報が本当に適しているのか良く見極めることが必要だ。 患者や患者の家族の大半は医学的な知識が十分でない場合が多いと思われるので、主治医に委ねてしまうケースが多いようだ。
医療を施す医師の立場と医療を受ける患者の立場では考え方に違いがあって当然で、インターネットでは公的な機関による情報が発信されているので大いに参考にしながら、積極的に最新の医療を選ぶか、または東洋医学を含めた穏やかな医療を選ぶかは、自分自身の考え方や生き方で選択するのも良いのではないかと思う。 いずれにせよ医療は患者側に立ったものでなくてはならない。
私も長い間医薬品の相談・販売を通して薬局で従事してきた経験から、医療の裏側の実態に多くの疑問を持ってきた一人だ。 医師向け最新医学・医療情報サイトの「m3.com」を見ているが、毎日驚くような医療ニュースが配信されてくる。 現在、マスコミで取り上げられる医薬品による副作用や手術等の医療事故は、氷山の一角に過ぎないと強く感じている。
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2015.1.22
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「栄養表現のカラクリ」から見えるもの
先日、十数年来の友人が我が家を訪れ、久し振りに楽しい話に花が咲いた。
その友人は長年糖尿病を患っており、インスリン注射を持参で一泊することになった。。
翌朝のこと、「毎日飲んでいるものがあるから、朝食はいらない。」と言う。
バッグから取り出したものは、良く見かける紙パックに入った『1日分の野菜』で、栄養のバランスが良いので朝は必ず1パックを飲んでいて、健康に十分気を付けているとのこと。
平成19年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病の可能性を疑われる人を含めると推定2200万人以上もいるといわれていて、生活習慣病の「代表格」だ。生活習慣病は日々の生活改善が必須なのだが、十分な知識を得て取り組んでいるとは言えない。
さて、昨日の西日本新聞の健康コラム「素朴な疑問」に『1日分の野菜』が取り上げられていたので紹介したい。「素朴な疑問 食品の裏側から」西日本新聞 2015.1.21
内容をみると、「搾るときに繊維質は除かれ、輸送コストのため加熱濃縮される工程でビタミン、ミネラルなども減少。あとから減った成分を添加して栄養素の帳尻を合わせたとしても、素材からとった350cの野菜とは根本的に違います。」と記事にあるように、野菜30種類350g分の栄養がきっちり摂れるジュースだが、ジューサーを用いて自宅で作る生のジュースとは根本的に違うのだ。
友人に話を戻すが、十数年も前から糖尿病を患いながら、朝食は『1日分の野菜』を1パックだけで済ます食事のあり方は感心しない。しかも、体重がかなりオーバーしているのが一目でわかり(お腹は太鼓腹)、運動はほとんど行っていない。
長年の通院治療にもかかわらず、私たちの目から見るとインスリンを打ちながらの生活は本当に大変なことなのに、本人はその大変さを自覚していないのだ。現状の医療のあり方に大きな疑問を抱いた。
しかし、市販されている清涼飲料の中には糖分を多く含むものも数多く存在する。そのような飲み物を何も考えず飲んでいる人が多いことも事実だ。また、野菜嫌いで全く野菜を摂らないよりは、野菜ジュースは良いのだろうが、これだけで健康体質が作られるかといえば嘘になる。
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2015.1.4 |
正月早々に起こった食中毒
1月3日深夜、腹部の膨満感で目を醒ます。軽い吐き気があるが、嘔吐するまではいかない。
腹痛もなくトイレに駆け込む状況ではなかったので再び眠る。
起床後、吐き気がやや強くなり食欲は殆ど沸かない。身体がだるいので、炬燵に潜り込み横になる。2〜3時間経っただろうか、突然吐き気が強くなりトイレに駆け込み嘔吐し、虚脱感とともにダウンしてベッドに。体温を測ると37℃あり微熱。夕方まで眠るが身体の虚脱感は取れていない。
我が家の主な暖房用の灯油が無くなった。この時期に灯油がないでは話にならないので、額に汗をかき身体がふらつく中出掛ける。帰宅後、ベッドへ直行。
熱を測ると37℃あり、体内の免疫力は正常に働いているようだ。
しかし、発熱したからと特に驚くことは無い。発熱すればすぐ解熱薬を服用したり、下痢をすればすぐに下痢止めに頼りがちだが、身体の免疫の仕組みを知っていれば何も大騒ぎすることはないのだ。
発熱の仕組みは、身体に細菌やウィルスが感染すると、身体を守るための防衛反応として免疫が働き、細菌やウィルスを追い出そうと熱を発生させるのだ。
下痢や嘔吐も発熱と同じで、体内に入ってきた異物として捉えたものは免疫が働き、体外へ排泄しようと防衛本能が働くのだ。
この様な時は出来るだけ安静に限る。胃腸への負担を避けるために食事を抜き、脱水症状を起こさないために水分補給を怠らないことだ。軽度の食中毒ならこれで十分だ。
水分補給の際に、いつも冷蔵庫に保存してある梅肉エキスを少量溶かし飲んだ。
※ 余談だが、梅肉エキスは古くから身体に良いことで知られ、梅の季節には梅酒とともに自宅で作る人が多いようだ。
さて、今回の食中毒だが、季節がら最初は「ノロウィルス」も疑ったが、潜伏期間が12〜72時間で、その頃に食べたカキなどの貝類を疑わなければならないのだが、食した記憶はない。
しかし、食中毒を起こす可能性のある細菌は10種類以上あるのだ。
※厚生労働省
食中毒予防には、家庭内では気を付けないといけないことが数多くあり、どこかで細菌の汚染があったと考えられる。さらに、身体が疲れていたことで免疫力が低下していて、感染しやすい状況にあったことだ。
いずれにせよ、正月早々に食中毒を起こしてしまった現実は素直に認め、過信をせず今後は予防に努めたい。
予防には、食中毒の3原則と食中毒を防ぐ6つのポイントを参考に!
自己判断に頼らず医師の診断を躊躇わずに受けることも必要だ。
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2015.1.2 |
生命力を感じた瞬間
人は生まれると「生きようとする力」を授かり生きていますが、往々にして「自分自身の力で生きている」と思っている人が少なくありません。しかし、日々の食事から多くの命を頂きながら、生きてるという事実を知らねばなりません。
肉や野菜や海草・キノコなど多くの命を食することで、命を繋いで生きています。
よって、動物や植物などの多くの命を頂くことによって「生かされている」ということに感謝することが大切だと思います。
若い時は元気もあり老化や病気など自身とは無縁だと思いがちですが、年々老いるごとに体力や記憶力の低下が個人差こそあれ誰にでも起きてきます。
健康に関心の高い人は40〜50代頃から健康管理に努めはじめますから、この年代を境に体力差や病気の罹患率にも格差が生じてきます。
さらに、生命力にも差が当然起こってきます。
生命力は、自分の意思力だけではどうにもならないのです。
どんなに長く生きたいと強く願っても、日々の健康管理がなされていなければ、その願いは達成されはしないでしょう。
日本は世界で一番の長寿国になっていますが、その背景には医療の進化や充実が大きく関わっています。
しかし、食生活の改善を含めた日常の生活改善での健康管理が欠かせないことは言うまでもありません。
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話は変わりますが、現在私の母は94歳で入院生活を送っています。
認知症の症状が7〜8年前から徐々に進行し、3〜4年前からは会話も殆ど出来なくなりました。さらに、食事を経口から摂れなくなってから1年4ヶ月あまり、IVHによる栄養補給に頼りながら生かされています。
IVH(中心静脈栄養法)は、ポート(点滴注入口)を首や胸の皮下に埋め込んで栄養(高カロリー輸液)をカテーテル(管)で入れます。食事の経口摂取が困難な患者に行われるもので、感染のリスクはありますが、感染がなく良好な状態ならば良い栄養状態を維持出来るのです。
一人暮らしで気ままな生活に慣れ、運動も全くしない生活が当たり前の日常で、偏った食生活が長年続いており、高脂血症や糖尿病も進行していました。
施設へ入所してからは栄養状態が徐々に改善され、さらに入院してからはIVHからの栄養でだけで血液の状態は比較的安定してきました。
主治医からは、IVHだけでも現状の維持が十分可能で、感染症さえ注意すれば「100歳まで生きる」と口癖だったも夢も可能性が出てきました。
大晦日、「私がわかりますか?」の声掛に、母が「わ・か・る」とはっきりした声で応じてくれました。いつも病室では耳元で「わかりますか?」と何度も声をかけてきたものの、これまでは全く反応が見られなかったので、一瞬信じられませんでした。
本人の生きたいという執着と強い意思を見せられたようで、生命力の凄さをあらためて感じた瞬間でした。
「生命力」は生きるための前向きに働く力で、言い換えれば自然治癒力の旺盛な状態であるとも言えます。
しかし、私たちの周囲には多くのマイナスに働く要因が溢れています。
食品添加物や大気汚染、暴飲暴食や過剰なストレスなどのほか、喫煙や薬剤による影響も要因の一つとして挙げられます。
いくら健康に良いことをしていても、マイナスに働く要因を無視しては「生命力」は元気に働いてはくれないのです。
日頃からの心がけとして、こつこつ毎日積み上げる良い習慣こそ大切ではないでしょうか。
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